第40回  道化師のソネット / さだまさし

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ryou

はじめまして! このブログでは、音楽に詳しいわけではない、むしろ疎い部類である私、りょうが、世の中の有名な曲について「これってどういう歌なんだろう?」と調べたことを、のんびり雑談みたいに語っていきます。
このブログを書いていると、曲の魅力について「あれもこれも語りたい!」という気持ちでいっぱいになります。ですが、いつもぐっとこらえています。

なぜなら、この物語の主役は、素晴らしい作品と、それを聴く皆さん一人ひとりだからです。

私の解説が、皆さんが音楽から自由に何かを感じ取る楽しみの邪魔をしてはいけない。そんな想いから、あえて多くを語らず、皆さんの心の中に生まれる感想のための「余白」を大切にしています。

ぜひ、あなただけの感じ方で、音楽の世界を楽しんでみてください。

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こんにちは! 音楽って、ふとした瞬間に心をそっと支えてくれる不思議な力がありますよね。 今日は、さだまさしさんの数ある名曲の中でも、特に優しさと強さを感じる「道化師のソネット」について、その背景にある物語や歌詞に込められた思いをご紹介したいと思います。

まずは公式YouTubeで聴いてみよう

何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。

道化師のソネットより

🎵 この曲が生まれた背景にある「実話」

この歌、実は「実話」が元なんです

さだまさしさんが歌う「道化師のソネット」は、ただの作り話じゃありません。 この曲は、1980年に公開された『翔べイカロスの翼』という映画の主題歌として作られました 。  

そして、この映画(原作はノンフィクションの本です )には、モデルになった実在の青年がいたんです。  

【秘話】カメラマンから道化師へ。栗原徹さんの物語

その青年の名前は、栗原 徹(くりはら とおる)さん 。  

彼はもともと、サーカスの写真を撮りたくて「キグレサーカス」に入団した、カメラマン志望の若者でした 。  

でも、団員たちと過ごすうちに、観客の笑顔のためにすべてを捧げるサーカスの世界にすっかり魅了されてしまいます。「自分も写真を撮るだけじゃなく、あの舞台に立ちたい」と。

そして彼が選んだのが、「ピエロ(道化師)」でした 。  

栗原さんは人気者になりましたが、悲劇が起きます。1977年、綱渡りの公演中に転落事故に遭い、20代の若さで亡くなってしまったのです 。  

さだまさしさん自身の「思い」

ここからが、この歌が特別な理由です。

さだまさしさんは、この栗原さんの「傍観者(カメラマン)から当事者(ピエロ)になる」という生き方に深く感動しました。

だから、さださんは主題歌を作った だけでなく、なんと、映画版では自ら栗原さん役(主人公)を演じたんです 。  

つまり、さださん自身が「道化師」になって、栗原さんの人生と心を追体験した。この歌の「僕」は、さださん自身であり、栗原さんの魂でもあるんです。

🎵【歌詞の意味】なぜ「君のため」そして「僕のため」なのか

この背景を知って歌詞を見ると、意味がグッと深まります。

僕達は小さな舟に 哀しみという荷物を積んで 時の流れを下ってゆく

【出典】 さだまさし「道化師のソネット」 作詞・作曲:さだまさし

これは、人生にはどうしようもない哀しみ(荷物)が必ずある、という運命(時の流れ)のことです 。  

僕らは別々の山を それぞれの高さ目指して 息もつかずに登ってゆく

【出典】 さだまさし「道化師のソネット」 作詞・作曲:さだまさし

でも、人生はそれだけじゃない。栗原さんがピエロという夢(山)を選んだように、僕らは自分の意志で夢に向かって進んでいくものでもあります

君のその小さな手には 持ちきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師になれるよ

【出典】 さだまさし「道化師のソネット」 作詞・作曲:さだまさし

ここで「君」が出てきます。「君」も僕と同じように、哀しみを抱えている。 それを見た「僕」(=栗原さん、さださん)は、「君」を救うために「道化師になる」と決意します 。  

そして、一番大切なサビです。

笑ってよ 君のために 笑ってよ 僕のために

【出典】 さだまさし「道化師のソネット」 作詞・作曲:さだまさし

これは、「僕が君を笑顔にするよ」という一方的な話じゃないんです。 道化師が「君」を笑わせる(君のために)。 その笑顔を見ることで、道化師である「僕」も救われる(僕のために) 。  

栗原さんが観客の笑顔に支えられていたように、さださんが聴き手の反応に支えられているように、これは「お互いに救い合う」という歌なんです。

だから、最後はこう締めくくられます。

いつか真実に(ほんとうに) 笑いながら話せる日がくるから  

【出典】 さだまさし「道化師のソネット」 作詞・作曲:さだまさし

栗原さんの死という最大の哀しみさえも、いつか必ず「本当に」笑って語り合える日が来る。そのために、僕は道化師として笑顔を捧げ続けるよ、と。

「道化師のソネット」は、哀しみを笑顔で包み込み、それによってお互いが救われるという、とても優しくて強い「祈りみたいな」歌なんですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 この曲は、ただ人を笑わせる「道化師」の歌ではなく、哀しみを知っているからこそ、笑顔を届けようとする「人」の歌なんですね。

誰かのために、あるいは自分自身のために。 今日もそっと笑顔を心がける、そんな「道化師」のような優しさを持ち続けたいなと、この曲を聴くたびに思います。

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