こんにちは! 素人の音楽雑談へようこそ。
突然ですが、みなさんはGEISHA GIRLSの「Kick & Loud」という曲を聴いたことがありますか?
「♪森岡のオッサン メチャ臭い屁こいて朝から寝てまんねん」
という、衝撃的な(?)歌詞から始まるあの曲です。
この曲、ただのコミックソングだと思ったら大間違い! なんと、プロデュースはあの坂本龍一さんなんです。
今日は、この不思議でカッコいい名曲「Kick & Loud」が生まれた背景や、謎だらけの歌詞に込められた(かもしれない)思いを、ゆる~く解説していきます。
まずは公式YouTubeで聴いてみよう
何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。
GEISHA GIRLS / Kick & Loud (Official Music Video)より
そもそも「GEISHA GIRLS」って何者?【背景】
まず、このプロジェクトがどれだけ「ありえない」ものだったか、その「背景」から見ていきましょう。
GEISHA GIRLSの正体は、もちろんお笑いコンビ・ダウンタウンのお二人(Ken=松本人志さん、Sho=浜田雅功さん)です 。
ここまでは「よくある芸能人のCDデビュー」だと思いますよね。 問題は、その「バンドメンバー」とされた布陣でした。
- Koume (小梅) – 坂本龍一 (キーボード/プロデューサー)
- Shungiku (春菊) – テイ・トウワ (DJ/プロデューサー)
- Katsuno (勝野) – 富家哲 (ドラムス)
…ちょっと待ってください。「世界のサカモト」こと坂本龍一さん ?
当時Deee-Liteでの活動で世界的に注目されていたテイ・トウワさん ? 「Runaway」好きです。
ニューヨークのハウスミュージックシーンを牽引していた富家哲さん ?
そう、これは「お笑い芸人のCDに、有名作曲家が1曲提供した」というレベルの話ではありません。世界最高峰のミュージシャンたちが、本気でダウンタウンと「遊んだ」プロジェクトだったのです。しかも、レコーディングはニューヨークで行われました 。
📜 歌詞に「意味」はあるの?込められた思いとは
では、あの謎すぎる歌詞には、どんな意味や思いが込められているのでしょうか。
結論から言うと、「深い詩的な意味」は、たぶんありません(笑)
この曲のすごいところは、まさにそこなんです。
森岡のオッサン メチャ臭い屁こいて朝から寝てまんねん めばちこ さぶいぼ マロニー 煮すぎて とけてもた おとん おかん おねん おにん ぼんさんぼんさんぼんさんぼんさん ぼんさんが屁をこいた へてから こんばば パチもん おんどれ こちょばい さらぴん かしわ おいど パーマあてたら たいそやな〜 ちゅうてね〜 べべんじょ かんじょ カギしめた
この曲の全ては、この最初のフレーズに詰まっています。 当時のJ-POPが「愛」「夢」「未来」といった高尚なテーマを歌っていたのに対し、GEISHA GIRLSが歌ったのは「メチャ臭い屁こいて朝から寝てまんねん」でした。
ここに「込められた思い」とは、ずばり「意味のあるコトを歌うことへの抵抗」とかだったのかと思います。
当時のJ-POPへの強烈な「Kick(蹴り)」であり、「高尚なトラックの上で、どれだけ低俗で無意味なことをラップできるか」という、壮大な実験だったと思うのが私個人の感想です。
🔍 歌詞の「これってどういう意味?」かんたん解説
歌詞に出てくる「?」な言葉を、標準語にカンタン翻訳してみました。
関西弁知らないので間違ってたらすいません。
- めばちこ: ものもらい(目にできる腫れ物)
- さぶいぼ: 鳥肌
- マロニー: あの「マロニーちゃん」?(食品名)(笑)
- ぼんさんが屁をこいた: 関西のわらべうた(子供の遊び歌)の一節です。
- パチもん: 偽物、バッタもん
- こちょばい: くすぐったい
- さらぴん: 新品
- かしわ: 鶏肉(特に鶏モモ肉)
- おいど: お尻
- 冷コー(レイコー): アイスコーヒー
- ドンコ: 干ししいたけ
こう見ると、本当に生活感あふれる単語ばかりですね!
これらは「意味」を伝えるためではなく、純粋に「音の響き」と「関西ローカルのノリ」だけで選ばれています。
つまり、歌詞の意味を真剣に考察しようとすること自体が、彼らの「壮大な悪ふざけ」の思うツボなのです。
坂本龍一はなぜOKした?【制作秘話】
では、なぜ坂本龍一さんはこんな「屁の歌」に本気で付き合ったのでしょうか? その「秘話」こそが、このプロジェクトの核心です。
秘話①:坂本龍一はダウンタウンの大ファンだった
実は、坂本龍一さんはダウンタウンの番組の大ファンでした 。『ガキの使い』の罰ゲームで浜田さんがニューヨークの坂本さんを訪ねる企画もあり、すでに両者にはリスペクトと親交があったのです 。
坂本さんにとって、ダウンタウンは「最高のコメディアン」であると同時に、「最高の音楽的パートナー」でもありました。
秘話②:80年代「スネークマン・ショー」の再来
坂本さんは80年代に、YMOの音楽と不条理なコントを融合させた「スネークマン・ショー」という伝説的なプロジェクトに参加していました 。
GEISHA GIRLSは、坂本さんにとって「スネークマン・ショーの90年代ヒップホップ版」であり、ダウンタウンの二人こそ、その相方にふさわしいと考えたのです 。
秘話③:「本気のギャグ」と「本気の名曲」
このプロジェクトがただの「悪ふざけ」で終わらなかった証拠があります。 それは、1995年に発売されたアルバム『THE GEISHA GIRLS SHOW 炎のおっさんアワー』 です。
このアルバムには、「Kick & Loud」のようなコント仕立ての曲 の間に、坂本龍一さんが本気で作曲した「少年」という曲が収録されています 。
この「少年」は、レビューで「何のボケもオチもない純粋に良い曲」「本気で泣ける名曲」と評される、美しいフォークソングでした 。
つまり、「屁の歌」でふざけ倒す一方で、誰もが認める「ガチの名曲」も入れておく。
この「シリアスとギャグの振れ幅」こそが、ダウンタウンの笑い(=豪華なセットでくだらないコントをやる)の構造そのものでした。坂本龍一さんは、ダウンタウンの「笑いの哲学」そのものを音楽で表現してみせたのです。
まとめ
GEISHA GIRLSの「Kick & Loud」は、単なるコミックソングではありません。
- 背景: J-POP黄金期に、世界最高峰のミュージシャンとダウンタウンがニューヨークで結託した「壮大な遊び」だった 。
- 歌詞の意味: 「屁」 や関西弁を多用し、あえて「無意味」を貫くことで、当時の「意味」や「メッセージ」に偏ったJ-POPに「Kick」を入れた。
- 秘話: 坂本龍一さんがダウンタウンのファンであり 、「スネークマン・ショー」 の精神的後継プロジェクトとして主導した。
- 結論: 「坂本龍一」と「ダウンタウン」が最高純度で融合した、90年代の「文化的事件」だった。
そして、この「壮大な悪ふざけ」のアルバムは、オリコンチャートで見事1位を獲得します 。 時代が、この「ふざける」という本気の遊びを求めていた証拠ですね。

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