こんにちは! 結婚式やお祝いの場で、この曲を聴いて涙したことがある方も多いのではないでしょうか。 中島みゆきさんの『糸』。
「縦の糸はあなた、横の糸は私」
あまりにも有名なこのフレーズですが、この曲がどんな背景で生まれ、どんな思いが込められているのか、ご存知ですか? 今日は、この名曲の裏側にある温かい物語と、歌詞の深い意味を、一緒に見ていきたいと思います。
まずは公式YouTubeで聴いてみよう
何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。
『糸』ができた背景と、ちょっとした秘話
この『糸』、実は最初から大ヒットしたわけではなかったんです。
- 初登場は1992年 アルバム『EAST ASIA』の中の一曲として、ひっそりと収録されていました。
- 秘話:ある結婚式のために作られた曲 この曲が作られたきっかけは、中島みゆきさんの知人の結婚式でした。 その知人とは、天理教の指導者である中山善司さん。彼が結婚する際、お二人を祝福するために中島みゆきさんが書き下ろしたのが、この『糸』だったと言われています。 特定の人へのお祝いとして贈られた、とてもプライベートで温かい曲だったんですね。
- ドラマ主題歌で全国へ この曲が広く知られるようになったのは、1998年。 ドラマ『聖者の行進』の主題歌として使われたことがきっかけです。 ドラマの感動的な内容と曲が深く結びつき、多くの人々の心に響きました。 もともとは一組の夫婦のために作られた曲が、時を経て、日本中の人々の「大切な出会いの歌」になったなんて、素敵なお話ですよね。
歌詞に込められた思いと意味を深掘り!
『糸』の歌詞は、まるで一つの詩のようです。 そこには「出会い」と「縁(えにし)」という、とても深いテーマが流れています。
なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない
出典:中島みゆき『糸』(作詞.作詞:中島みゆき)
私たちは、自分の意志で「いつ、誰と出会うか」を決めることはできません。 どこで生きてきたのか、全く違う人生(ふたつの物語)を歩んできた二人が、なぜか出会う。 その不思議さと奇跡を、歌い出しで優しく語りかけてくれます。
縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない
出典:中島みゆき『糸』(作詞.作詞:中島みゆき)
ここがこの曲の素晴らしい所ですよね。 「縦の糸(あなた)」と「横の糸(わたし)」が出会って、一枚の「布」を織りなしていく。 これは、二人が出会って新しい人生や家庭を築いていくことの例えです。
そして大切なのは、その布が「いつか誰かを暖めうるかもしれない」という部分。 二人が一緒にいることが、二人の幸せだけじゃなく、回りまわって誰かをそっと温めたり、支えたりすることになるかもしれない。そんな優しい世界観が込められています。
なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ 夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ
出典:中島みゆき『糸』(作詞.作詞:中島みゆき)
人生、良いことばかりじゃありません。 迷ったり、失敗したりして、心に「ささくれ」ができることもあります。 でも、そんな「ささくれ」 つまり、つらい経験や傷跡も、布を織りなす「糸」の一部なんだよ、と。 それも全部含めて、あなたと私なんだ、という深い肯定を感じます。 だからこそ、その布は「いつか誰かの傷をかばうかもしれない」と歌っているんですね。
最大のポイント:「仕合わせ」という言葉
そして、曲の最後はこう締めくくられます。
逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます
出典:中島みゆき『糸』(作詞.作詞:中島みゆき)
注目してほしいのは、「幸せ」ではなく「仕合わせ」という漢字が使われていることです。
これは中島みゆきさんのこだわりなんです。 「幸せ」は、どちらかというと自分の心の状態(Happy)を指すことが多いですよね。
でも「仕合わせ」は、もともと「巡り合わせ」や「縁」という意味合いが強い言葉でした。 つまり、この曲で伝えたかったのは、 「ああ、幸せだなあ!」という感情そのものよりも、 「出会うべき人(糸)と、ちゃんと出会えたこと。その巡り合わせの奇跡」 こそが、人間にとっての本当の宝物なんですよ、ということなんです。
まとめ
中島みゆきさんの『糸』は、ただのラブソングではなく、「人と人が出会うことの尊さ」を歌った、壮大な人生の応援歌です。
つらい経験(ささくれ)も、すべてが人生という布を織りなすための大切な糸。 そして、誰かと出会い、寄り添って生きることが、いつか他の誰かのぬくもりにもなる。
そう思うと、人とのご縁を、もっともっと大切にしたくなりますね。

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