第12回 高嶺の花子さん / back number

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ryou

はじめまして! このブログでは、音楽に詳しいわけではない、むしろ疎い部類である私、りょうが、世の中の有名な曲について「これってどういう歌なんだろう?」と調べたことを、のんびり雑談みたいに語っていきます。
このブログを書いていると、曲の魅力について「あれもこれも語りたい!」という気持ちでいっぱいになります。ですが、いつもぐっとこらえています。

なぜなら、この物語の主役は、素晴らしい作品と、それを聴く皆さん一人ひとりだからです。

私の解説が、皆さんが音楽から自由に何かを感じ取る楽しみの邪魔をしてはいけない。そんな想いから、あえて多くを語らず、皆さんの心の中に生まれる感想のための「余白」を大切にしています。

ぜひ、あなただけの感じ方で、音楽の世界を楽しんでみてください。

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こんにちは!

今回は、片思いをしたことがある人なら、誰もが「これ、わかる!」と胸をえぐられる、back numberの金字塔的失恋ソング「高嶺の花子さん」の魅力に迫ります。

どうしてこんなにリアルで、どうしてこんなに切ないの? この曲が生まれた背景や、歌詞の一つひとつに込められた主人公の痛いほどの気持ちを知れば、きっとあなたもこの曲の沼から抜け出せなくなりますよ。

まずは公式YouTubeで聴いてみよう

何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。せつなくなります。

back number – 高嶺の花子さん (full)より

妄想から生まれた?この曲ができた意外なきっかけ

この曲のあまりのリアルさに、「ボーカルの清水依与吏さんの実体験…?」と思った方も多いのではないでしょうか。実は、半分正解で、半分違うんです。

きっかけは、清水さんが実際に駅のホームで見かけた、ものすごく可愛い女性だったそうです。

あまりの可愛さに一瞬で心を奪われた清水さん。でも、もちろん声をかけることなんてできません。その女性が電車に乗って去ってしまった後、ホームに取り残された清水さんの頭の中で、ありとあらゆる妄想が爆発したんだとか。

「あの人はどんな人で、どんな生活をしてるんだろう?」 「彼氏はいるのかな、きっとすごいイケメンなんだろうな…」 「もし付き合えたら…いや、無理か…」

そう、この曲は清水さんのリアルな妄想から生まれた曲なんです。 直接の体験ではないけれど、片思い特有の、本人に会えない時間で勝手に育っていく妄想や劣等感。その「あるある!」な感情を、天才的な解像度で音楽に閉じ込めたのが、この「高嶺の花子さん」なんですね。

歌詞の世界へ。日本一みじめで、日本一純粋な片思い

それでは、歌詞を追いながら、主人公の頭の中を覗いてみましょう。

君から見た僕はきっと ただの友達の友達 たかが知人Bにむけられた 笑顔があれならもう 恐ろしい人だ

出典:back number「高嶺の花子さん」(作詞・作曲:清水依与吏)

まず、この始まり方が秀逸ですよね。 自分は、彼女にとって数いる知人の一人に過ぎない。その他大勢。「知人B」という表現が、あまりにも的確で胸に刺さります。

そんな自分にさえ、あの天使のような笑顔を向けてくれる君。 それはきっと、僕に気があるからなんかじゃない。誰にでも優しいだけなんだ…。だとしたら、君はなんて「恐ろしい人だ」。好きになっちゃうじゃないか!という、すでに敗北宣言から始まる恋なんです。

君を惚れさせる 黒魔術は知らないし 海に誘う勇気も車もない でも見たい となりで目覚めて おはようと笑う君を

出典:back number「高嶺の花子さん」(作詞・作曲:清水依与吏)

自分には何もない。特別な魔法も、男らしい行動力も、デートに使える車もない。 そんな風に自分を卑下しながらも、妄想だけは一級品。「となりで目覚めておはようと笑う君」という、一気に恋人関係を飛び越えた生々しい願望が、彼の本気度を物語っています。

会いたいんだ 今すぐその角から 飛び出してきてくれなかいか 夏の魔物に連れ去られ 僕のもとへ (中略) 僕のものに なるわけないか

出典:back number「高嶺の花子さん」(作詞・作曲:清水依与吏)

そして、あまりにも有名なサビ。 会いたいけど、自分から会いに行く勇気はない。だから、何かの間違いで、奇跡が起こって、君の方から来てくれないか、と願ってしまう。

「夏の魔物」というファンタジックな言葉に、ありえない偶然を期待する、彼のどうしようもなさが詰まっています。 そして、そんな都合のいいことが起こるはずもない、という現実もちゃんと分かっている。最後の「なるわけないか」という諦めの呟きが、聴いている私たちの心を締め付けます。

君の恋人になる人は モデルみたいな人なんだろう そいつはきっと 君よりも年上で 焼けた肌がよく似合う 洋楽好きな人だ

出典:back number「高嶺の花子さん」(作詞・作曲:清水依与吏)

ここから、主人公の得意な「妄想」が炸裂します。 会えない時間に、君の隣にいるであろう「架空の彼氏」を、どんどん具体的に作り上げていくんです。しかも、自分とは真逆の、いかにも勝ち目がないハイスペックな人物像を。

これは、自分で自分を傷つけにいく、片思い中の”自傷行為”のようなもの。辛いけど、やめられない。この気持ち、経験したことがある人も多いのでは?

まとめ

「高嶺の花子さん」は、 back numberというバンドの真骨頂ともいえる、「カッコ悪くて、情けなくて、でもどうしようもなく純粋な恋」を完璧に描き出した一曲です。

誰もが心のどこかに持っている、自信のなさや、好きな人を前にした時の無力感。 それを「これでもか!」というくらいリアルな言葉で歌ってくれるから、私たちは共感し、どこか救われたような気持ちになるのかもしれません。

次にこの曲を聴くときは、ぜひ駅のホームで一人、壮大な妄想を繰り広げる主人公の背中を思い浮かべてみてください。きっと、その愛おしさに、笑いながら泣けてきてしまうはずですよ。

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