「ヒマラヤの消しゴム」って、一体なに?
こんにちは!
今日は、THE BLUE HEARTSの「1000のバイオリン」について、ちょっと深く、でも簡単に話してみようと思います。
まずは公式YouTubeで聴いてみよう
何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。
【公式】ザ・ブルーハーツ「1000のバイオリン」【12thシングル(1993/5/25)】THE BLUE HEARTS / 1000 No Violinより
📝 歌詞に込められた想い:人生まるごと「それでいい」
この曲、マーシー(真島昌利)が作ったんだけど 、いきなりすごい歌詞から始まりますよね。
「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ」 「ミサイルほどのペンを片手に」
出典:THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)「1000のバイオリン」(作詞・作曲:真島昌利)
これ、どういう意味だと思います?
「ヒマラヤみたいにデカい『楽しい事』を、消しゴムみたいに簡単に」 っていう解釈もあるけど、もう一つの考え方があるみたいです。
僕らが失敗しちゃった「台無しにした昨日」って、もうヒマラヤ山脈みたいにデカい後悔のカタマリだったりする。
だから、それを「帳消し」にするには、同じくらいデカい「ヒマラヤほどの消しゴム」が必要だよね、って。まずは過去をリセットしようぜ!っていう、マーシーからの「絶対的な許し」なんです。
じゃあ「ミサイルほどのペン」は? これは、未来に「おもしろい事」を書くためのペン。でも、ただのペンじゃダメなんです。退屈な日常をブッ飛ばすくらい強力な、「ミサイル」級の創造力じゃなきゃ!
バンドが「再スタート」を切るための曲だった
この曲が入ってるアルバム『STICK OUT』 は、ブルーハーツが「ちょっと窮屈になってきたかも…」って感じてた時期を乗り越えて、「よーし、もう一回『突出』してやるぞ!」って再スタートを切った、すごく気合の入ったアルバムなんです 。
「1000のバイオリン」は、そのアルバムの一番最後に入ってる 。 これって、「退屈な道をブッ飛ばして、自由になるぞ!」っていう、アルバム全体のまとめであり、バンドの「決意表明」そのものだったんですよね。
「支配者」は殴らない、無視しちゃえ!
この曲の主人公がやることって、すごくオシャレですよね。
夜の扉を開けて行こう / 支配者達はイビキをかいてる
出典:THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)「1000のバイオリン」(作詞・作曲:真島昌利)
普通、パンクだったら「支配者達をぶっ飛ばせ!」って歌いそうじゃないですか? でもマーシーは違う。「あいつら(権力とか、偉い人たち)、イビキかいて寝てるよ」って。
つまり、「本気で自由になろう」って思ったら、誰もキミを止められない。あいつらは寝てるんだから、わざわざ戦うんじゃなくて、さっさと無視して「夜の扉」から抜け出しちゃおうぜ!ってこと。最高ですよね。
じゃあ、どこへ行くのか?
今しか見る事が出来ないものや / ハックルベリーに会いに行く
出典:THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)「1000のバイオリン」(作詞・作曲:真島昌利)
そう、「ハックルベリー・フィン」みたいに、退屈な社会のルールから逃げ出して、本当の自由を探しに行くんでです。たとえそれが「危ない橋」だったとしてもね。
なぜ「1000のバイオリン」? 隠された「秘話」
でも、一番のナゾは、タイトルですよね。 パンクバンドなのに、なんで「バイオリン」? しかも「1000」も?
これには、めちゃくちゃ感動的な「説(せつ)」が、ファンの間で大切に語られているんです。
マーシーは、マルク・シャガールっていう画家の絵からヒントを得たのではないか、と言われています。 シャガールの絵には「屋根の上のヴァイオリン弾き」がよく出てくるのですが、これには、あるユダヤ人の伝説が関係していると言われているんです。
それは、 「昔、大変な迫害(はくがい)があって、みんなが逃げまどってる炎の中で、たった一人、屋根の上でバイオリンを弾き続けた男がいた」 というお話です。
すごくないですか?
世界が終わるみたいな絶望の中でバイオリンを弾くって、「お前らが何をしようと、オレの心(芸術)までは絶対に殺させない」っていう、究極の「精神的な抵抗」ですよね。
マーシーは、この「たった一人の最強の精神」を、1000倍にしたんです。 それが「1000のバイオリン」なんですね。
キミの「バイオリン」で、「馬鹿野郎」をブッ飛ばせ!
この「秘話」がわかると、クライマックスの歌詞が全部つながります。 じゃあ、現代の僕らにとって、あの伝説の「大虐殺」みたいなものって何だろう?
マーシーは、それをハッキリとこう書いてる。
揺篭から墓場まで / 馬鹿野郎がついて回る
出典:THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)「1000のバイオリン」(作詞・作曲:真島昌利)
そう、敵は「馬鹿野郎」 。 これは、誰か特定の人のことじゃなくて、僕らが生まれてから死ぬまで、ずーっとついて回る「ノイズ」全部のこと 。 (嫌なヤツ、理不尽なこと、退屈な日常)がずっとついて回る。他人の悪口、世間の常識、「どうせムリだよ」っていう圧力、そして自分の中の弱い心。
この「馬鹿野郎」は、倒せない。ずっとついて回る。 じゃあ、どうする?
1000のバイオリンが響く 退屈な道をブッ飛ばす
出典:THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)「1000のバイオリン」(作詞・作曲:真島昌利)
ここで「秘話」が生きてくる! 「馬鹿野郎」っていうノイズ(騒音)がうるさいなら、そいつらと戦うんじゃない。
それよりデカい音で、キミ自身の「1000のバイオリン」を心の中で鳴り響かせるんだ!
キミの「楽しい事」「おもしろい事」「希望」の音が 、そのノイズに勝った瞬間、目の前の「退屈な道」はブッ飛ばされていくんだよ、ってことですよね。
「楽しい」と「楽(らく)」は違う
この曲で何度も出てくる「楽しい事をたくさんしたい」っていう言葉。 これ、甲本ヒロトさんがいつも言ってる「楽しいと楽は対極だよ。楽しいことがしたいなら,楽はしちゃダメだと思うよ」 っていう言葉と、ピッタリ合いますよね。
本当に「楽しい」ことって、「楽(らく)」なことじゃない。 歌詞にあるみたいに「危ない橋を渡って来た」 先にこそ、本物の「楽しさ」がある。 ブルーハーツが「再スタート」 のために、あえて「突出」する っていう「危ない橋」を選んだ、その覚悟がこの曲には詰まってますね。
🍀 まとめ:すべてを肯定する「人生の応援歌」
この曲は、難しいことは何も言っていません。
「人生、嫌なことや馬鹿野郎はいるけど、 デッカイ想像力(消しゴムとペン)を持って、 昨日の失敗なんて気にしないで、 自分の心の音(1000のバイオリン)を信じて、 楽しく、面白く生きていこうぜ!」
ただ、それだけ。 でも、これほど力強く、私たちのすべてを「それでいいんだよ」と肯定してくれる曲もありません。
もし今、あなたが退屈な道の上で立ち止まりそうになったら、ぜひこの曲を聴いて、心の中であなただけの「1000のバイオリン」を鳴り響かせてみてくださいね。

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