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誰もが知っている昔話『桃太郎』。正義感あふれる桃太郎が、犬、サル、キジをお供に鬼退治へ行く…というのが定番ストーリーですよね。
でも、もし。 その桃太郎が、家でゲームばっかりしている現代っ子だったら?
今日は、そんな大胆な発想で日本の音楽シーンを驚かせた、水曜日のカンパネラの名曲『桃太郎』について、その魅力や歌詞に込められた深い(?)意味を、ご紹介したいと思います!
まずは公式YouTubeで聴いてみよう
何はともあれ、まずは一度聴いてみてください。
水曜日のカンパネラ『桃太郎』より
『桃太郎』ってどんな曲?(誕生の背景)
まず、この曲の基本情報から。
- アーティスト: 水曜日のカンパネラ
- 作詞・作曲: ケンモチヒデフミ
- 発表年: 2014年
- 収録アルバム: 4thミニアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』
ここで注目したいのが、アルバムのタイトル『私を鬼ヶ島に連れてって』です 。
普通の『桃太郎』なら、「鬼ヶ島に行くぞ!」と自分から冒険に出かけますよね。でも、このタイトルは「誰か連れてって〜」という、なんとも他人任せな響き。
そう、この時点で、私たちが知っている勇ましいヒーロー像は崩れ始めているのです。この曲は、アルバム全体のテーマを背負う、超重要な曲として作られました 。
誕生秘話:「きびだんご」が「ピンポン」になった!?
この曲のユニークさは、あの振り付けにも表れています。実は、あのダンスが生まれた瞬間には、こんな秘話があるんです。
振り付けを担当したのは、竹森徳芳さん。彼は曲を初めて聴いた時、「〈きっびだーん〉という歌詞が一発で頭に残った」と語っています 。
この強烈なフレーズをどうダンスにするか? プレッシャーを感じながら、ぼーっと曲を聴いていたその時、彼の頭の中で不思議な連想ゲームが起こりました。
「きびだんご」 → 「ピンポン」
そう、あの卓球の「ピンポン」です。桃太郎とは何の関係もありません(笑)。
このエピソードが教えてくれるのは、水曜日のカンパネラが「意味」よりも「音の響き」や「リズムの楽しさ」を大切にしている、という制作スタンスそのものなんです 。
歌詞の「本当の意味」:ヒーローは「ニート」だった?
では、歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか。
私たちが知っている童謡の『桃太郎』は、「きびだんごをあげるから、鬼退治についてきて」という、目的(労働)のための「契約」の歌です 。桃太郎は、まさに「働くヒーロー」の象徴です。
しかし、水曜日のカンパネラ版『桃太郎』は、ある批評でこう分析されています。 「『桃太郎』は実はニートの話で、現代社会を批判している」
これが、作詞したケンモチヒデフミさんが仕掛けた「本当の意味」です 。
考えてみてください。アルバムタイトルは『私を鬼ヶ島に連れてって』 。鬼退治という「仕事」には行かず、家でゲームばっかりしている…。
伝統的な「働くヒーロー」像 を、あえて真逆の「働かないニート」 として描くことで、「そもそも、なんでそんなに頑張って働かないといけないの?」と、現代社会の価値観に皮肉たっぷりの疑問を投げかけているのです。
でも、意味なんて「どうでもいい」!?
「なるほど、社会風刺だったのか…」と感心するのは、まだ早いんです。この曲の本当にスゴいところは、自ら仕掛けた「意味」すらも、どうでもよくしてしまう点にあります。
先ほどの批評 には、実はこんな続きがあります。
「…とつまらない評論を述べるより、「きっびっだ〜ん♪ きびきびだ〜ん♪」と歌う方が楽しい」
これこそが、ケンモチヒデフミさんが本当に伝えたかった「思い」です 。
水曜日のカンパネラの曲は、「言葉から意味をひっぺがし、ただの音として楽しむ」 ことに本質があります。
その証拠に、ミュージックビデオ(MV)を見てみてください。意味不明(!?)なアニメが展開されます 。
歌詞を読んで「ニートの話かな?」と考え始めたリスナーを、MVが「そんなの関係ないよ!」と突き放す。そうやって「意味」を考えることを強制的にやめさせ、私たちを「きっびだーん」という「音」の快楽だけに引きずり込むのです。
まとめ
水曜日のカンパネラ『桃太郎』は、こんな多重構造を持った、とんでもない曲でした。
- 表の顔: 「きっびだーん」という、とにかく楽しい「音」の遊び 。
- 裏の顔: 「ヒーロー=ニート」という、社会風刺的な「意味」 。
- 本当の顔: その「意味」すらも「つまらない」と笑い飛ばし、リスナーを「音」の快楽に解放する 。
深い「意味」を仕込みながら、最後は「意味なんてどうでもいい、楽しもうぜ!」と宣言する。この知性と遊び心こそが、水曜日のカンパネラの真骨頂と言えるでしょう。
次にこの曲を聴く時は、難しいことは考えず、ただ「きっびっだーん♪」と口ずさんでみてください。それが、この曲の一番正しい楽しみ方なのですから。

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